ウェアラブルデバイスの進化でライフスタイル分析が可能に

小嶋 日々、トライアスロンのトレーニングをしているビジネスパーソンは、やはり睡眠や食に対する関心が高いなという印象ですが、齊藤さんはトレーナーとしてどのような経緯で睡眠に注目するようになったんですか？

齊藤 私は2000年ごろからポラールのデバイスを使っているんですが、当時は運動時のデータは取れたけど、睡眠のデータとか何を食べているかというのはまだ分からなかった。担当しているアスリートからリポートで報告してもらう時代だったんですけど、怒られたくないからとウソを書く選手も結構いたんですね。

それが2012〜13年ごろからBluetoothのウェアラブルデバイスやアプリがいろいろ誕生して、リモートでもいろんな人がどういう生活をしているか見えてきたんです。

我々トレーナーが選手や一般の方と関われる時間は１週間168時間のうち、長くても２〜３時間。そうすると残り160時間以上がどういう生活をしているか分からないブラックボックスなんです。

でも、そういう時間もしっかり自己管理して生活していかないと良い結果は出ないので、睡眠やストレス、食事などのライフスタイル分析をやるようになりました。やはり睡眠がちゃんと取れてないと、リカバリーができない。そこがピラミッドの底辺で、その上に何を食べるかっていうのが来て、一番上に運動が来ると思うんですね。

小嶋 私は歯科医師として患者さんの口腔内を治療して美味しいものを食べられるようになったと言われて良かったのですが、一部の患者さんの中には数カ月後に糖尿病や高血圧など生活習慣病を発症する人がいました。せっかく時間とお金をかけて口腔内を綺麗にしたのに健康にならないというのは医療従事者としてもどかしい思いでした。

そこで食のリテラシーを向上させるようなアプローチができないかと色々取り組んできて、そのひとつが食の商品開発でパワグラという商品なんです。また介護の事業においても日々痛感するのは健康寿命の大切さ。

健康寿命を延ばして自分らしい生き方を続けるには、やはり40〜50代ぐらいの生活習慣や予防医療の実践がすごく重要だと感じます。そのような観点からも食と同じく大切な睡眠について齊藤さんの話を聞くのを楽しみにしていました。

齊藤 私もパワグラを頂きましたが、味もとても美味しかったです。