TRIBizeezイベント企画第4弾は、リオ五輪女子トライアスロン代表の加藤友里恵さんをゲストに招き、仕事とトライアスロンを両立させているアスリートのために、効率良く、効果的にランパフォーマンスを高める方法を学び、屋内会場でパワグラの創業者・小嶋隆三さん、RMG代表取締役・齋藤皓允さんも交え「トライアスロン×ビジネスライフ」をテーマにしたトークセッションを行った。

イベントリポート前編では、加藤さん指導の下、効果的な動きづくりや効率の良いラントレーニングを実践的に体験したレッスンパートの模様を紹介しよう。

加藤友里恵Yurie Kato

元プロトライアスリートで、リオデジャネイロオリンピック日本代表。3歳から水泳を始めて小学5年時にJOCジュニアオリンピック出場。中学からは本格的に陸上競技を始め、高校、大学、実業団と中長距離を専門とする選手として活躍。2010年(23歳)実業団1年目の冬に故障をしたのがきっかけで、陸上からトライアスロンに転向。得意のランを武器に頭角を現し、2016年リオ五輪出場など数々の好成績を残す。2020年に引退後は自身が主宰するチーム「puente(プエンテ)」などを通じてトライアスロンの普及活動を展開するほか、地元・千葉県銚子市への恩返しを込めて地域に貢献する活動や次世代育成事業を手がけている。1987年、千葉生まれ。

加藤友里恵さん

Part1 効果的・高効率なラントレーニング実践編

加藤さんの指導で、参加者が効率的に走るための動きづくりや、短時間で効果的にパフォーマンスを上げるためのサーキットトレーニングを体験した。

自分に合うものをチョイスして引き出しを増やす

加藤友里恵さん(以下、加藤) 仕事をしながらトライアスロンを続けているトライアスリートのみなさんは、限られた時間の中で色々な工夫をしていると思います。今日はランを中心に、効率良くトレーニングするためのお手伝いができればと考えています。

私が提案することには、人それぞれ合うもの合わないものがあると思いますが、その中から自分に合うものをチョイスして引き出しを増やしてください。

上半身、手の小指・・・
走るときに意識すること

加藤 まず、みなさんは走るときに意識するのは、上半身でしょうか、それとも下半身でしょうか?

どちらも「あり」だと思いますが、私は特に上半身を意識して走ります。

走るときに地面に直接作用するのは下半身、脚・足ですが、下半身が効果的に動いて効率的に地面を押すには、リズムのいい腕と脚の連動が大切だからです。

さらに、腕と脚をうまく連動させるためには、両者をつなぐ体幹・お腹まわりが重要ですし、腕を正しく動かすには小指が意外と大切だったりします。

今日はそうしたことを踏まえて、いろんな動きと意識を体験していただきたいと思います。

準備運動とポイント

まずはその場で両脚跳び、ヒザの屈伸、アキレス腱伸ばし、内転筋を伸ばす伸脚(写真)などオーソドックスな準備運動でカラダをほぐす。

【上体回し】脚を大きく開き、腕を横に上げ、ヒジを曲げ、顔・お腹(へそ)を前に向けたまま上体だけ回す。肋骨・肩甲骨まわりを動かしほぐすことを意識。走りの動きが軽くなる効果があるほか、この肋骨まわりの動きは、スイムの動きにも関連してくる。

動きづくり

【腕振り】

加藤 手の指を軽く握って腕を前後に振る。親指を立ててGood! のかたちを作ると、リラックスして振ることができます。

腕を内側に向けて振ってみると、腕が脚と連動しにくいと感じるでしょう。腕振りはヒジが後ろに引けていればいいんですが、横向きに振ってヒジが横に開くと、骨盤がロックされてしまい、走りにくくなります。

小指を骨盤に触れさせながら歩いてみましょう。
そして、少し速度を上げて早歩き→走りへ。

こうすると骨盤と肋骨が連動して、楽に推進力が生まれることが感じられます。

POINT「小指を意識してみる」

加藤 腕を振るときは、みなさん自然に指を軽く握ると思いますが、このとき小指が意外と大事です。

小指の指先をおへそに向けると、自然とヒジが立ち、腕振りが横にブレにくくなります。

スイムでも小指を意識するとヒジを立てやすくなりますし、バイクでも小指でハンドルを握るとヒジが締まり、お腹を使った動きができます。

ランでは握った指の中でも、小指をしっかり握りながら走るとヒジが締まり、後ろに引きやすくなります。

ただし、あまり意識しすぎると動きがわからなくなるので、ちょっと意識する程度でいいと思います。

POINT「骨盤の縦の動き」

加藤 ランニングでは骨盤の動きも大切です。上半身の肋骨の動きと連動させることで、足が効率よく地面を後ろに押すことができます。

「骨盤の左側を上げ右側を下げる/右側を上げ左側を下げる」という動きを繰り返してみる。この動きが肋骨と連動すると、全身を使ったスムーズな走りができます。

このとき上半身は動かさない、ヒザは曲げず伸ばしたまま行うのがポイントです。

走る前にやってほしいこと

【骨盤を前傾させて腰を入れる】

加藤 ランニングでは骨盤の傾きがとても重要です。

ケニアなどアフリカの人は先天的に骨盤が前傾しているので、足が着地したときスムーズに地面を後ろに押すことができ、走りやすいんですが、日本人は骨盤が前傾していないので、同じような走りはできません。

特に昔の日本人は骨盤が後傾していたので、腕振りと連動した走りができず、腕振りをしない「ナンバ走り」という走り方をしていました。

今の日本人はそれほど骨盤が後傾しているわけではなく、ニュートラルな状態ですが、やはりそのまま走ると柔軟性のない窮屈な走りになってしまいます。

そこでやってほしいのが、脚を前後に開いて上半身を前に倒してハムストリングスとお尻の筋肉を伸ばすエクササイズ。

これで骨盤が前傾し、いわゆる腰が入りやすくなります。

こうして腰を入れて10歩くらい歩いてから走り出すと、腰が入った走りの感覚がつかむことができます。

私は選手時代、これを走る前のルーティーンにしていました。

【両腕・両脚を連動させる両腕回し】

加藤 リラックスして両腕を回しながら軽く走りましょう。 ポイントはヒザを曲げないことです。 慣れないと難しいかもしれませんが、これをやっていると、上半身の動きや、上半身・下半身の連動のタイミングが良くなります。

レース中キツくなったとき、やってみてほしいこと

【片腕回し】

加藤 片方ずつ腕を回す。これをラントレーニング前の動きづくりではなく、レースや長距離トレーニングで走行中、キツくなって動きが崩れてきたときに、立て直すために行います。

私は陸上選手時代、レース中に「重心が浮いてきた」(バランスやリズムが崩れて、体重がうまく足に乗らない)と感じたときにやっていました。

これを行うと重心(バランス)が安定し、走りのリズムが良くなります。

多忙なトライアスリートにこそオススメ
効率的トレーニングの代表

サーキットトレーニング

加藤 サーキットトレーニングは短時間の筋トレとランニングを繰り返すことで、効率的に筋力や心肺機能を鍛えることができます。

今回は屋外で手軽にできるように器具を使わず、走りの動きに即した筋トレ・動きづくりのエクササイズ5種類とランを組み合わせて行います。

5種類のエクササイズと3分走を交互に行い、トータルで20~30分くらい。

レベルや練習時間に合わせて、筋トレの回数や走る長さは増やしたり減らしたりしてください。

動きづくりのエクササイズを行った後、正しい動きを意識できる、それぞれのペースで「3分間走」を入れる

① ハーフスクワット20回(30秒)→3分走

▼お尻の筋肉を鍛えるため、ヒザを前に出さないこと 

② 腸腰筋(片脚立ちでヒザを上げ下げ)左右15秒ずつ →3分走

▼ヒザと骨盤・腰椎をつなぐ腸腰筋に負荷がかかることを意識

③ 大股歩行(連続ランジ)10歩 →3分走

▼大きくヒザを上げて歩幅を大きく広げて、腰をしっかり落としながら歩く 

④ スイング(その場跳びしながら腕振り&腰回転)30秒 →3分走

▼肩甲骨まわり・肋骨をリラックスさせ、お腹まわりを軽く締める
▼腕振りと骨盤の回転が連動することを確認しながら行う

⑤ バーピージャンプ 10回(15-20回)→3分走

▼少し前後に足を開き、屈んでからジャンプ
▼脚は前後に開いたほうがランの筋肉の使い方につながる鍛え方ができる
▼ジャンプがきつい人は屈んでから立つだけでもOK

5種類のエクササイズ→3分走を交互に行って、トータル20~30分。正しい動きに集中して行えば、ただ同じ時間走るだけより効率良くスキル&レベルアップできる

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